Project Story

プロジェクトストーリー

Project 03

「漱石山房」記念館
建設工事

梁を支える柱が少なく、建築工事よりも橋梁工事に近いような難しい工法を、頭の中のイメージをうまく具体化していくことで形に。

本プロジェクトは、夏目漱石生誕150周年に合わせて、漱石が晩年を過ごし、数々の名作を世に送り出した「漱石山房」のあった新宿区に記念施設を整備するものである。施設の構造は基本のRCとSに加えSRCも採用する複合構造であり、内部に当時の街並みや漱石晩年の家屋を再現する。

Story

工法的に難しいという第一印象を受けた、工事に挑む

「工法的に難しいというのが第一印象。梁を支える柱が少なく、建築工事より、橋梁工事に近いイメージだった」と担当者は振り返る。

工事はRC造の地下階完成後に地上階の鉄骨建て方に着手する。柱の本数が少なく、梁の支保工から先行して設置していった。

梁の支保工を組んだ状態では何の施設か想像がつかない、複雑な工事

梁は最終的に建物東西両端のRC造の壁体に渡すのだが、支保工で受けながら架設していった。屋根はSRC造の為、約40メートルの梁を架設する。梁を受ける架台は最も大きな仮設材であり、工事の初期段階に設置する必要があった。

「梁の支保工を組んだ状態では何の施設か想像がつかない姿だった」ことが工事の複雑さを物語る。仮設計画の時点で「自分の頭でイメージしたものをうまく具体化できた」ことで施工精度を高めた。

支保工を外す時は荷重に耐えられるか緊張したが、想定の範囲内で構造上問題無く完成した。

専門工事会社との定例会が、良いチームワークへと繋がった

工事を進めるうえで「電機設備、機械設備、エレベーターなど専門工事会社と定例会を一緒に開き、工程や安全管理を緊密に連携した」ことが良いチームワークに繋がった。「近隣の皆様の協力を得たことも大きい。記念館がファンの期待に応え、末永く使われてほしい」と思いを込める。

Data

名  称 「漱石山房」記念館建設工事
構  造 RC造(一部S造)地上2階、地下1階
設計監理 フォルムデザイン一央 株式会社
工  期 2017年3月〜2018年8月
東京都新宿区